港湾技研報告

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桟橋に作用する波の揚圧力

港湾技研報告 VOL.006 NO.04 1967.04

執筆者伊藤喜行,竹田英章
所属水工部 (防波堤研究室)

要旨

 棧橋下面に作用する波の揚圧力と、それに対する渡版およ
び棧橋上部工の安定性について実験的研究を行なった。実験
結果によると揚圧力は上昇する水面の衝突に基づく衝撃力が
あって、その性質や大きさは海象条件(波高・周期・潮位)
および構造条件(棧橋の形状・寸法・水や空気の逃げ方)に
よって異なる。一般的には波高・潮位・周期と共に増大し、
また水塊の逃げ場があれば減少するが、空気孔程度ではかえ
って増大する傾向がある。揚圧力は衝撃的圧力であるため、
それによる挙動は渡版のように自重もって対抗するものと、
床版などのように部材の強度をもって抵抗するものとで異な
る扱いが必要であり、前者に対しては落下および振動限界に
対応する安定重量を、後者に対しては等価静荷重をそれぞれ
実験公式として提示した。また、横桟橋のほか、デタッチド
ピアに対する通過波の揚圧力、土留護岸に孔あきケーソンを
用いたときの効果の有無についても検討した。      


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