港湾技研報告

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粘土試料の撹乱に関する研究(第2報)−不飽和粘土のサンプリングに伴なう応力変化について−

港湾技研報告 VOL.008 NO.03 1969.09

執筆者奥村樹郎
所属土質部 (土質試験課)

要旨

 不飽和粘土のサンプリングに伴う等温的応力変化をBoy
leとHenryの法則、Skemptonの間隙圧係数な
どに基づいて理論的に追跡し、2、3の興味深い特徴が見出
された。                       
 (1) 不飽和完全試料の残留有効応力と飽和度は一般に
飽和試料の場合よりも小さく、粘土の体積膨張係数や飽和度
が極端に小さい時は残留有効応力が負になることも有り得る
。                          
 (2) 採取試料を保存中に空気分の移動することを考慮
に入れると残留有効応力は非常に小さく、しかも必ず正とな
る。                         
 (3) 試料を非圧密非排水試験に供した場合その残留有
効応力は拘束圧の増加とともに次第に大きくなり、完全試料
の場合には間隔水圧を原位置での値に揃えることによって完
全飽和の場合に一致させることができる。また完全試料の最
終残留有効応力は空気分の移動にかかわらず一定である。 


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