港湾技研報告

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矢板壁の耐震性に関する研究(第2報)−矢板壁模型の振動数特性−

港湾技研報告 VOL.009 NO.02 1970.06

執筆者荒井秀夫,藤野芳明,坂井慧子
所属構造部 (振動研究室)

要旨

 控え壁が固定である場合の矢板岸壁模型に1〜100c/
sの振動数の振動を与え、その振動数特性を調べた。模型壁
は撓みと分布質量とが原型と相似になるように造られたもの
であり、土として乾燥砂が用いられた。実験結果の概要を述
べると次のようである。                
 模型の振動には明らかな共振が認められる。その共振は主
として砂層の共振によるものであって、共振振動数および加
速度応答倍率は与えた振動の強さが増加するとともに減少す
る傾向を示す。共振時において、海底面以上の曲げモーメン
トは振動中の最大値に達するが、根入部の固定度はほとんど
変化しない。また、共振時に砂層内の加速度はかなり大きな
値になるが、壁に作用する振動土圧は物部岡部の地震時土圧
式に比べてそれ程大きな量でない。タイロット張力の振幅と
砂層内の加速度との間にかなり良い相関関係が認められる。


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