港湾技研報告

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不規則な海の波の屈折および回折の計算

港湾技研報告 VOL.011 NO.02 1972.06

執筆者永井康平
所属海洋水理部

要旨

 種々の理論方向スペクトルをもつ不規則波の平行直線状等
深線海岸における屈折と、半無限堤および防波堤開口部によ
る回折の計算をスペクトル成分の線型重ね合せ法によって行
なった。その結果、平行等深線海岸における不規則波の浅水
係数、屈折係数、卓越波向の計算図が得られた。同時に新た
に定義した有効浅海進入係数を用いて屈折波高比、周期比等
を計算した。これらの値は、沖波の進入角が90度では正弦
波の屈折値と大きく異ってくるが、60度以下では15%程
度の差しかない事が分かった。             
 次に半無限堤と開口部での不規則波の回折図が求められた
。不規則波の回折係数は規則波のものとかなり異り、規則波
で大きい所が小さく、小さい所が大きな値となる。この差は
防波堤から離れる程大きくなる。周期比は高々15%の変動
しか生じなかった。                  
 最後に、方向スペクトルの分割数と計算精度の検討を行い
不規則波の回析計算時間の節約法について考察した。   


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