港湾技研報告

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移動床模型実験用底質材料としての石炭粉の特性について

港湾技研報告 VOL.012 NO.01 1973.03

執筆者田中則男,新保修
所属水工部 (漂砂研究室)

要旨

 移動床模型実験用底質材料として、石炭粉など軽比重の物
質が用いられることが多い。しかしながら、比重の相異によ
る移動あるいは地形形成の特性については、十分な検討がな
されているとは言いがたく、軽比重物質の採用についてはそ
の特性の十分な事前試験が必要であると考え、種々の二次元
的な実験を実施した。                 
 その結果、移動限界条件に石炭粉の形状あるいは粘性効果
が介入することはなく、比重の更正のみを考えればよいこと
。浮遊砂量は、底面に形成されるリップルによる底面粗度の
効果が粒子が軽いことと相殺し合うことがあり、必らずしも
軽比重物質の浮遊砂量が多くないこと。また、波形勾配が大
きくなると、砂では欠壊性の前浜が形成されるのに反して、
石炭粉では堆積性となり、波形勾配の小さな波に対しても、
石炭粉は砂と逆な傾向を示すことが明らかになり、実用的な
実験に軽比重物質を用いることには疑問があるものと考えら
れた。                        


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