港湾技研報告

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強震記録の上下動成分の解析と重力式岸壁の安定に関する事例研究

港湾技研報告 VOL.015 NO.02 1976.06

執筆者上部達生,野田節男,倉田栄一
所属構造部 (耐震構造研究室)

要旨

 地震時における構造物の安定に及ぼす地震動の上下成分の
影響を明らかにするため、強震記録に基づく検討を実施した
結果、以下に示す事項が明らかとなった。        
1) 水平最大加速度が50gal以上の記録については、
上下最大加速度と水平最大加速度(水平2成分のうち大きい
方)との比率(上下水平最大加速度比)は1/2以下であっ
た。                         
2) 上下最大加速度と水平最大加速度が発生する時刻が同
一でないことを考慮すると、構造物が滑動及び転倒に対して
もっとも危険な状態となる時刻における強震記録の上下加速
度と水平加速度の比を求めた結果は1/3以下となった。 
3) 港湾構造物に対する現行設計法に鉛直震度を加味し重
力岸壁について安定計算を実施した。この結果、今回検討し
た重力式岸壁については、鉛直の震度の影響は小さかった。


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