港湾技研報告

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矢板岸壁地震時被災の分析

港湾技研報告 VOL.018 NO.01 1979.03

執筆者北島昭一,上部達生
所属構造部

要旨

 新潟,十勝沖,根室半島沖地震などの大地震において被災
した矢板岸壁などの被害状況を分析し,現行設計法による安
定解析結果と対比している。また,矢板模型に関する一連の
振動実験において,矢板構造物が地震時に示す挙動を計測し
,その破壊過程を明らかにしている。          
1.控え鋼矢板構造物に関する現行設計法は実用上完成され
ている。ただし,撓み性控え工形式に関しては,改良の必要
性を検討する必要あり。また,改良の方向および手掛りを提
示している。                     
2.同構造物に関する作用震度と最大地盤加速度との関係は
重力式構造物に関する当該関係を準用できる。      
3.現行設計法により適正に設計されていれば,地震時被害
は控え工前方移動に起因する現象が先行する。軽率な控え工
補強は構造物の崩壊を促進する。            
4.控え工移動はタイ張力の特定振動数帯(2〜4Hz)に
おける激しい変動によって誘起される。         


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