港湾技研報告

一覧へ戻る

直立消波ケーソンの上床版に働く揚圧力−空気圧縮モデルによる検討−

港湾技研報告 VOL.019 NO.01 1980.03

執筆者谷本勝利,高橋重雄,村永努
所属水工部 (防波堤研究室)

要旨

 近年,直立消波ケーソンが護岸構造に用いられるようにな
ってきた。この遊水室に上床版を設けた場合,これに作用す
る揚圧力が部材の設計上重要な外力となる。この揚圧力は遊
水室の後壁と上床版および波面によって閉じ込められた空気
の圧縮によって生ずる。本報告ではこうした空気の圧趣によ
る揚圧力の算定法を提示し,縦スリットケーソンを対象とし
た実験によってこの方法の妥当性を検討した。この他次に述
べる事が明らかとなった。               
1)上床版に小さな空気孔を設ければ空気の圧縮による揚圧
力は減少する。しかし空隙率がある程度以上になると水塊の
直接的な作用による揚圧力が作用する。         
2)揚圧力の実験値を現地に換算する場合には,単に幾何学
的縮尺を考慮するだけでなく、空気圧縮のモデルによって補
正しなければならない。                
3)揚圧力が作用するときには遊水室内にも圧力が発生する
。                          


一覧へ戻る

お問い合わせはkikaku@ysk.nilim.go.jpまでお願いします。

(C)Copyright 1996-2007 Nationnal Institute for Land and Infastructure Management(NILIM)
No reproduction or republication without permission.