港湾技研報告

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波高計群による方向スペクトルを用いた反射波推定法の検討

港湾技研報告 VOL.019 NO.03 1980.09

執筆者合田良実
所属水工部

要旨

 海の波の方向スペクトルを観測する方法の一つは波高計群
による波形の同時記録であり、その解析手法として最ゆう(
尤)法が分解能の高さで注目されている。そこで、不規則波
形の数値シミュレーション手法を用いて最尤法の適用性を検
討したところ、自由な進行波については二つの波群が重畳し
ている状態をも的確に識別できることが確認された。しかし
ながら、構造物からの反射によって重複波が形成されている
状況では、入・反射波の位相干渉のために方向スペクタルに
よる入・反射波の分離性能が低下することが明らかとなった
。このため、方向スペクトルを用いた反射波の推定には限界
がある。                       
 波高計群による方向スペクトル観測は1976年12月に
仙台新港南防波堤前面で実施された。この解析結果では、周
波数帯の一部に反射波の存在が認められ、また0.06〜0
.09Hzの低周波数帯において防波堤に平行に進行する沿
い波の存在が示唆された。


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