港湾技研報告

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土質定数のバラツキを考慮した不同沈下の推定

港湾技研報告 VOL.020 NO.03 1981.09

執筆者奥村樹郎,土田孝
所属土質部

要旨

 軟弱地盤上に造成された埋立地では、しばしば不同沈下が
構造物に大きな被害を与えることがある。本報告は、主とし
て土質定数のばらつきを考慮して埋立地内に将来性じる不同
沈下量を推定する手法を開発したものである。      
 まず、各地の港湾における港湾構造物や埋立地の沈下実測
記録を集めて統計的に分析した結果、同じような土質条件や
荷重条件のもとでは、沈下量のばらつきがほぼ正規分布、ま
たは対数正規分布していることがわかった。       
 この結果にもとづき、沈下に関する地盤の諸定数を確率モ
デルで表わし、実際の埋立と同じ載荷条件を与えて埋立地内
の沈下量のばらつきを計算する数値シミュレーションプログ
ラムを開発した。                   
 実際の大規模埋立の事例について、このプログラムを用い
て求めた計算沈下量は、実測されている沈下記録とほぼ一致
した。したがって、このプログラムを用いて、埋立地内の不
同沈下量を推定しうることが確かめられた。


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