港湾技研報告

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恒流に及ぼす風と淡水流入量の影響−泉南沖データ(1978〜1981)による検討−

港湾技研報告 VOL.021 NO.04 1982.12

執筆者村上和男,森川雅行,坂口達也
所属海洋水理部 (海水汚染水理研究室)

要旨

 本論文は、1978年1月から1981年11月までに泉
南沖で取得された潮流と海上風および枚方における淀川の流
量のデータを用いて、恒流に及ぼす風と淡水流入量の影響を
検討したものである。潮流は基本水準下3、9、16mの三
層で超音波流速計により測定されている。        
 年間データの調和解析から得られた恒流の絶対値は、海域
への淡水流入量と強い正の相関を持つ。年間スケールでは風
はほぼ一定なので恒流の変動に影響しないと考えられる。9
0、30、15日間データの調和解析による各層の恒流の東
方・北方成分は海上風の東方・北方成分とは正の相関、淀川
の流量とは負の相関をもつことが主成分分析により明らかに
なった。データの期間が短くなるにつれて、恒流と流量の相
関は低くなるが、風との相関はあまり変わらない。25時間
移動平均による恒流の変動は、海上風の24時間移動平均値
を説明変数とした重回帰式により表され、恒流が風の影響を
受けていることがわかった。              


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