港湾技研報告

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水中の剛構造物の地震時滑動と動水圧の実験的研究

港湾技研報告 VOL.023 NO.03 1984.09

執筆者上部達生,桧垣典弘
所属構造部 地震防災研究室

要旨

 水中の剛体の地震時における滑動挙動を検討するために、
振動箱内の水中に置いたモルタル製剛体模型の振動実験を実
施した。この振動実験によれば、剛体模型の加速度および動
水圧は挙動を開始するとほぼ瞬間的に減少し、滑動中はほぼ
一定値をとるような波形を示した。水中の剛体模型の片面に
作用する動水圧の2倍を重力加速度で除した値に等しい付加
質量を考慮して振動実験の結果より静摩擦係数を求めた。こ
れらの値はオイラーの方法による摩擦係数測定実験の結果と
近い値を示した。このことから、水中の剛体の地震時の滑動
を検討するには、剛体に作用する動水圧を重力加速度で除し
た値に相当する付加質量を考慮すればよいものと考えられる
。以上の結果より、剛体がのっている基礎の水平、上下加速
度より剛体の地震時滑動変位量を計算する手法を示し、振動
実験結果との比較検討からこの計算手法がほぼ妥当な結果を
与えることを確認した。                


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