港湾技研報告

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飽和砂地盤上の盛土の破壊振動実験と円形すべり安定解析

港湾技研報告 VOL.024 NO.02 1985.06

執筆者上部達生,北澤壮介,桧垣典弘
所属構造部 地震防災研究室

要旨

 飽和砂地盤上の盛土の地震時の破壊挙動を把握し、盛土の
地震時安定を検討するために、振動箱(長さ8m、幅4m、
高さ2m)内に大型模型を作成し、振動実験を行った。振動
台加速度を増加させていくと、ある加速度で盛土の残留沈下
量、水平移動量が急増し、盛土の破壊が確認された。この時
の地盤内の過剰間隙水圧比は0.5以上の値を示していた。
また、盛土内にあらかじめ敷設した水平白色砂層の振動中に
生じた段差より盛土内のすべり破壊面が推定された。円形す
べり面法による安定解析によれば、震度と過剰間隙水圧を考
慮した円形すべり計算で、実験の盛土の破壊が説明できるこ
とが確認された。したがって、飽和砂地盤上の斜面の地震時
の安定は、円形すべり面法による安定計算において震度と過
剰間隙水圧を考慮するこにより検討できると考えられる。 


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