港湾技研報告

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波と底泥の相互干渉による波高減衰と底泥の流動について

港湾技研報告 VOL.026 NO.02 1987.06

執筆者中野晋,鶴谷広一,鷹濱潤
所属海洋水理部 (水理研究室)

要旨

 波と底泥の相互干渉について粘性流体に対する多層モデル
を用いて検討した。このモデルでは底泥の流動特性を考慮し
た相等粘度の概念を導入し、波動場に応じた平均的な粘度分
布の推定ができる。計算結果と実験結果を比較した結果、計
算結果は底泥厚が薄い10?のケースではよく一致したが、
底泥厚が20?に厚くなると深部の底泥が動かなくなるため
、あまり一致しなくなることなどが明らかとなった。また波
による底泥の移動機構を把握するため、底泥床の一部を掘削
部とした場合の掘削部の埋没実験を実施した。この実験では
順流+波、波のみ、逆流+波の3ケースで実施したが、底泥
の平均移動速度は順流+波、波のみ、逆流+波の順で小さく
なった。底泥の移動形態としては底泥床全体が波動運動し、
全体が流動するもの、底泥運動にともなって掘削部の斜面が
少しずつ前進していくもの、底泥表面に生じた浮泥が斜面に
沿って掘削部に流下するものなどが観察された。     


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