港湾技研報告

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共振集波効果を応用した直立消波ケ−ソンの原理と水理特性

港湾技研報告 VOL.028 NO.03 1989.09

執筆者高橋重雄,木村克俊,田中智
所属水工部 耐波研究室

要旨

 防波堤の平面形状に着目して,部分消波ケ−ソンという直
立消波ケ−ソンの新しい構造形式を考案した。これは消波部
を防波堤の法線方向に部分的に前面から後退させて配置する
ものである。この方式は,平面的な凹部での波浪の共振によ
って波のエネルギ−を平面的に集め消波するものであり,消
波性能が向上する。ここではこれを共振集波効果と呼ぶ。 
 本報告では,まず数値波動解析法による計算を行って,ケ
−ソン各部の諸元が共振集波効果に及ぼす影響を検討した。
さらに,不規則波による反射実験を行ってその効果を確認し
,部分消波ケ−ソンが従来型の直立消波ケ−ソンを上回る消
波特性を有することを示した。また,波力および滑動安定性
に関する実験を行い,部分消波ケ−ソンが従来型の直立消波
ケーソンに比べて耐波安定性が高いことも示した。また,部
分消波ケーソンに働く波力算定法についての基本的な考え方
を明らかにした。                   


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