港湾技研報告

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腐食鋼矢板の補修工の耐力特性

港湾技研報告 VOL.028 NO.03 1989.09

執筆者清宮理,野口孝俊,横田弘
所属構造部 構造強度研究室

要旨

 海洋環境下に長時間置かれた岸壁などの施設に用いられて
いる鋼矢板では,腐食が著しく進行して補修を施す必要性に
迫られている場合がある。腐食している箇所を鉄筋コンクリ
−トで被覆したり,あるいは鋼材を添接して失われた耐力を
回復する方法が対策として採用されている。この対策工の技
術的な課題に,地震力,上載荷重などの外力を受ける際の合
成部材としての力学特性の把握と設計法の整備とがある。こ
の課題を解決するため,鉄筋コンクリ−トで被覆したり,鋼
材を添接した鋼矢板の曲げ載荷試験を実施した。載荷試験に
より合成部材の破壊に至るまでの過程を調べ,外力に対する
補修工の抵抗機構を把握した。今回選定した補修工は,鋼矢
板と補修材の合成が満足されるならば,現在提案されている
設計法で計算される耐力を確保できる。         
 しかし,合成の仕方によって終局耐力,破壊形式,じん性
,継手効率などが異なるので補修工の選定にあたっては注意
が必要である。                    


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