港湾技研報告

一覧へ戻る

消波ブロック被覆堤直立部の滑動安定性に対する波力とブロック荷重

港湾技研報告 VOL.029 NO.01 1990.03

執筆者高橋重雄,谷本勝利,下迫健一郎
所属水工部 耐波研究室

要旨

 消波ブロックの被覆堤の直立部に作用する透過波力とブロ
ック荷重の特性を、水理模型実験により明らかにするととも
に、滑動安定性に関する検討を行った。         
 消波ブロックによる波力の低減効果は、波高が大きいほど
顕著であり、波高が小さいとあまり減少しない。     
 静水時のブロック荷重は、設置直後は小さく、波が作用す
るにつれて大きくなるが、最終的に安定となる値は、作用し
た波の大きさやケーソンの重量によって変わる。波の作用時
には浮力の増加やケーソンの変位により、ブロック荷重は静
水時に比べて減少する。                
 滑動安定性の検討においてはブロック荷重は無視でき、合
田式による波力のみを考慮すればよい。波力低減係数λは通
常の条件では0.8を用いてよい。ただし,波高が小さいと
きはλの値はやや大きくなる。また,施工直後でブロックが
締まっていない場合には,波作用時のブロック荷重の減少量
が小さく,ケーソンが滑動しやすい。


一覧へ戻る

お問い合わせはkikaku@ysk.nilim.go.jpまでお願いします。

(C)Copyright 1996-2007 Nationnal Institute for Land and Infastructure Management(NILIM)
No reproduction or republication without permission.