港湾技研報告

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液状化による矢板岸壁の変形の数値解析

港湾技研報告 VOL.030 NO.02 1991.06

執筆者井合進,亀岡知弘
所属構造部 地盤震動研究室

要旨

 1983年、秋田県沖に震源を持つ、マグニチュード7.
7の日本海中部地震が発生した。この地震で、秋田港は裏込
め砂の液状化により過去に例を見ない被害を受けた。   
 本研究では、これら被害の調査および試験結果をものに2
次元有効応力解析を実施し、有効応力解析手法の適用性の検
証を行ったものである。この解析に用いたモデルとして、応
力−歪の関係は、任意方向せん断面の双曲線モデルを、過剰
間隙水圧については、塑性せん断仕事およびせん断応力の関
数として与える物を用いた。なお、解析断面として、大浜2
号岸壁(被災)および大浜1号岸壁(無被災)と取り上げた
。                          
 被災断面および無被災断面について有効応力解析を実施し
た結果、実際の現象に整合性のある結果が得られた。特に、
被災した矢板岸壁に変形の機構は、液状化に伴う応力の解放
によって発生するものであって、簡便な手法として一般に用
いられる滑り面を仮定した機構とは全く異なることがわかっ
た。


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