定率ひずみ圧密試験は、連続載荷方式の圧密試験の一種で
ある。この試験法は、連続載荷方式であるために、階段載荷
の標準圧密試験法と比べて、いくつかの利点を持っている。
まず第一に、連続的な応力−ひずみ曲線が得られることで
あり、圧密降伏後に大きな圧縮性を示す試料に対して適して
いる。第二番目は、短期間で試験が終了する急速圧密試験で
あることである。第三番目は、試験の自動化が容易なことで
ある。一方、定率ひずみ圧密試験から得られる圧密降伏応力
は、標準圧密試験から得られるものよりも大きくなることが
知られている。これは、ひずみ速度による時間効果に起因し
ている。
本研究では、ひずみ速度による影響を調べるために、二種
類の再圧密試料に対して定率ひずみ圧密試験を実施した。そ
の結果を基にして、応力緩和を用いた簡便な圧密降伏応力の
補正法を提案している。また、三種類の不攪乱沖積粘土に対
して定率ひずみ圧密試験と標準圧密試験を実施し、その補正
法を適用している。
主要な結論は以下のとおりである。
(1)圧密降伏応力比と、ひずみ速度の対数の間には直線関
係が認められる。
(2)本研究で提案した補正法を用いると、定率ひずみ圧密
試験から得られる圧密降伏応力は、標準圧密試験から得られ
る圧密降伏応力とほぼ同じ値になる。
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