港湾技研報告

一覧へ戻る

囲繞感に関する規模論的研究

港湾技研報告 VOL.031 NO.02 1992.06

執筆者斎藤潮,竹下正俊,上島顕司
所属計画設計基準部 計画基準研究室

要旨

 市民に親しまれる港の環境を創出するためには、港におけ
る市民活動の場に、程よい空間的まとまりを与えることが有
効となろう。その際、まとまりを生み出すに適当な空間規模
の目安があれば、便利である。             
 本研究は、空間的なまとまり感のひとつとして囲繞感に注
目し、?ムロ(室)という地形地名が地形的な囲繞に対する
認識の表明であることに着目、?ムロ系の地名をわが国の沿
海部に限って地形図より抽出した。?そのうち、囲繞の認識
以外が語源であるとみられるものを除く地名30件について
、対応する空間の規模を計測し、?規模の分布範囲を求める
とともに、これを多角的な観点から位置づけ、その規模のも
つ空間計画上の意味を明確にした。           
 本研究によって、地形による囲繞感は、樹木の見え方にも
とづく景観的な距離の区分でも人間の歩行心理からみても親
しみやすい印象を与え得る空間規模(一辺200−400m
の正方形に相当)によって得られる可能性の高いことが明ら
かとなった。


一覧へ戻る

お問い合わせはkikaku@ysk.nilim.go.jpまでお願いします。

(C)Copyright 1996-2007 Nationnal Institute for Land and Infastructure Management(NILIM)
No reproduction or republication without permission.