港湾技研報告

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我国沿岸の潮位と平均海面の変動の解析

港湾技研報告 VOL.031 NO.03 1992.09

執筆者村上和男,山田邦明
所属海洋水理部 (汚泥処理研究室)

要旨

 地球温暖化による海面上昇の予測および監視には、長期間
の気象、海象および人間活動等に関するデータが有力な手が
かりとなる。                     
 本研究では、我国沿岸の潮位、気圧および海水の表層水温
のデータを収集し、周辺海域の平均海面の長期的な変動傾向
を求めた。また、平均海面の季節的な変動とその要因につい
て解析した。                     
 解析の結果、我国の1950年以降の平均海面の長期的変
動の傾向は、平均的にみて、中部から東日本にかけての各地
で1.5〜1.8?/年の海面上昇を示し、西日本の各地で
1.0?/年の海面下降の傾向を示した。また、月平均海面
の変動は気圧と海水密度の季節変動に依存し、月平均表層水
温1円Cの上昇は、月平均海面の約1.1?の上昇に相当し
た。なお、今回のデータからは、平均海面の長期的な変動傾
向と、年平均気圧、年平均表層水温の長期的な変動などとの
間に明瞭な相関はみとめられなかった。


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