
沿岸域における風波の周波数スペクトルと無次元パラメータの特性−ハイブリッドパラメーター法による波浪推算モデル(第2報)−
港湾技研報告 VOL.032 NO.01 1993.03
| 執筆者 | 後藤智明,青野利夫 |
| 所属 | 水工部 海洋エネルギー利用研究室 |
要旨 | 海上風と風波の関係を明らかにし、新たな波浪推算モデル の開発のための基礎的な知見を得るため、観測データを基に 有義波緒元、風波の抵抗則、風波の平均的な風波数スペクト ル形に関する検討を行った。得られた主要な結論は以下のと おりである。 ?風波においては、3/2乗則が精度良く成立する。また、 浅海域では、浅水係数を考慮することにより3/2乗則が拡 張される。 ?風波スペクトルの高周波域での特性は3/2乗則と矛盾し ない形で−4乗則に従う。 ?深海域における風波スペクトルの形状は、発達過程でピー ク周波数付近のエネルギーレベルが高く、フィッチの増大に 伴う風波の平衡状態への移行と共にエネルギーが広がりPi erson・Moskowitzスペクトルに漸近する。 ?浅海域では風波スペクトルの特性が深海域の諸元および浅 水係数によって記述できる。 ?風波の周波数スペクトル標準形を提案した。提案した標準 形は、有義波高と周期のみのよってそのスペクトル形が算定 され、その精度はbretschbeuder・Mitsu yasuスペクトルよりも高く、発達および平衡状態にある 風波でかつ深海域及び浅海域に対して適用できる。 |
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