海上風と風波の関係を明らかにし、新たな波浪推算モデル
の開発のための基礎的な知見を得るため、観測データを基に
有義波緒元、風波の抵抗則、風波の平均的な風波数スペクト
ル形に関する検討を行った。得られた主要な結論は以下のと
おりである。
?風波においては、3/2乗則が精度良く成立する。また、
浅海域では、浅水係数を考慮することにより3/2乗則が拡
張される。
?風波スペクトルの高周波域での特性は3/2乗則と矛盾し
ない形で−4乗則に従う。
?深海域における風波スペクトルの形状は、発達過程でピー
ク周波数付近のエネルギーレベルが高く、フィッチの増大に
伴う風波の平衡状態への移行と共にエネルギーが広がりPi
erson・Moskowitzスペクトルに漸近する。
?浅海域では風波スペクトルの特性が深海域の諸元および浅
水係数によって記述できる。
?風波の周波数スペクトル標準形を提案した。提案した標準
形は、有義波高と周期のみのよってそのスペクトル形が算定
され、その精度はbretschbeuder・Mitsu
yasuスペクトルよりも高く、発達および平衡状態にある
風波でかつ深海域及び浅海域に対して適用できる。
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