港湾技研報告

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沖波の方向スペクトルの出現特性(第1報)−いわき沖の観測結果−

港湾技研報告 VOL.032 NO.02 1993.06

執筆者永井紀彦,橋本典明,浅井正
所属海洋水理部 (海象調査研究室)

要旨

 沖波の報告スペクトルの出現特性を明らかにすることは、
海洋波の特性を把握する上で極めて重要である。しかしなが
ら、この出現特性はいまだ十分に明らかにされておらず、方
集中度パラメターなどを用いて便宜的に分布形状を表してい
るにすぎない。この原因は方向スペクトルの観測成果の蓄積
が十分でないことにある。               
 このような背景のもとに、比較的水深の大きい海域である
いわき沖(水深h=−154m)で定常観測を開始した。ま
た、海洋波の方向スペクトルについても、精度良く推定する
ことが可能になった。そこで、本論文では、いわき沖観測地
点で取得された観測データにもとづき、沖波の方向スペクト
ルの出現特性が、要因となる気象攪乱の種類とその進路によ
って説明できることを明らかにした。          
 一般に、方向スペクトル解析を行う場合には海底地形等の
影響を受けにくい沖波を対象とする必要がある。ところが、
その妥当性について検討された例は少ない。そこで、近接し
た沿岸域地点である小名浜港における波浪の出現特性といわ
き沖の沖波としての特性とを比較検討し、相違点を明らかに
した。


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