港湾技研報告

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陸上地形の影響を考慮した海上風推算

港湾技研報告 VOL.032 NO.03 1993.09

執筆者後藤智明,柴木秀之
所属水工部 海洋エネルギー利用研究室

要旨

 波浪推算および高潮推算の外力条件となる海上風に関して
境界層特性を検討するとともに陸上地形の影響を考慮した内
湾海上風推算モデルの開発を行った。得られた主要な結論は
、以下のとおりである。                
?自由大気の風を海上風に換算する手法として大気境界層モ
デルを提案した。このモデルによる外洋海上風の推定値は、
観測データと良い一致を示した。            
?観測データの解析から、風の有効吹送距離と陸上地形から
の影響度を含む内湾海上風に関する経験式を得た。この経験
式から内湾海上風は海上の吹送距離が長くなるとともに風速
が増大し、次第に外洋海上風に漸近する特性があることが明
らかになった。                    
?内湾海上風の地形依存特性を表す経験則と3次元マスコン
モデルを組み合わせたハイブリッド海上風推算モデルを開発
した。この推算モデルを陸上地形の影響を強く受けた伊勢湾
の海上風推定に適用した結果、観測風の時間変化傾向を精度
良く再現できることが明らかとなった。


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