港湾技研報告

一覧へ戻る

合成版式ケーソンのフーチング部の力学特性と構造設計

港湾技研報告 VOL.033 NO.02 1994.06

執筆者清宮理,山田昌郎
所属構造部 構造強度研究室

要旨

 鋼板と鉄筋コンクリートとをずれ止めにより合成した合成
版は、高強度でかつじん性が大きく優れた力学特性を保有し
ている。この合成版を用いて重力式のケーソンのフーチング
を長く張り出せる。ただし長いフーチングでは地盤反力など
の外力により固定端に大きな断面力が生じる。フーチングの
設計は通常片持ち梁として行われるが、この大きな断面力に
対して合成版式フーチングが十分な強度と変形性能を保有す
るか、ケーソン本体の底版や外壁への荷重の伝達機構、正負
繰り返し荷重に対する耐力の変化などを確認する必要がある
。そこでフーチング模型を対象に載荷試験を行い耐力や変形
などを調べるとともに、既にコンクリート標準示方書及び著
者らにより提案されている構造設計式との比較検討を行う。
 今回の検討から合成版式フーチングは優れた力学特性を保
有することが確認されたが、鉄筋をせん断補強筋に用いた場
合にはトラス機構によるせん断耐力が得られず注意が必要で
り、一方形鋼を用いた場合は所定のせん断耐力が得られた。
 またフーチングに隣接する部材への断面力の伝達を考慮し
てケーソン本体の構造設計を行う必要がある。


一覧へ戻る

お問い合わせはkikaku@ysk.nilim.go.jpまでお願いします。

(C)Copyright 1996-2007 Nationnal Institute for Land and Infastructure Management(NILIM)
No reproduction or republication without permission.