港湾技研報告

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アジア圏域を軸とした21世紀の日本の海運像(CALSによるコンテナ流動ネットワークとアジアが結ぶ世界高速コンテナ航路の形成)

港湾技研報告 VOL.035 NO.01 1996.03

執筆者高橋宏直
所属計画設計基準部 システム研究室

要旨

 近年のコンテナ貨物量の純流動量は著しく増加しており、
世界におけるコンテナ純流動量は93年で3200万TEU
となっている。そして、この3200万TEUの内容をみる
と、アジア−北米が740万TEU、アジア−欧州が455
万TEU、アジア域内が500万TEUとアジア関連の合計
で1700万TEUに達している。これに北米−欧州の30
5万TEU、欧州域内流動の600万TEUを加えると80
%に達する。このように、世界のコンテナ流動はアジア、北
米、欧州の3極体制となっている。特にアジアにOD(Or
igin−Destinaiton:起終点)を有するコン
テナ純流動量は全体の50%以上に達していることがわかる
。                          
 しかしながら、アジア圏域のコンテナ流動の構造分析は、
十分になされていなかった。さらに、それを踏まえた今後の
日本のコンテナ動向の検討も十分ではなかった。     
 したがって、本研究では、アジア圏域を軸としたコンテナ
流動から21世紀の日本の海運像を描き出すことを試みる。
そして、具体的な海運像として、第一に、CALS(Com
merce At Light Speed)と結び付けた
アジア圏域内のコンテナネットワークの形式、第二に、アジ
アが中心となって、北米、欧州とを結ぶ世界高速コンテナ航
路体系の形成という二つの姿を示す。なお、本論文では、ア
ジアの中で大半のコンテナが発生・集中する日本からシンガ
ポールにかけてのエリアをアジア圏域として表現する。


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