港湾技研報告

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ファジィ制御によるドラグサクション浚渫船の自動化

港湾技研報告 VOL.035 NO.02 1996.06

執筆者加藤英夫,福本裕哉,佐藤勇二,谷本裕史,岡山義邦
所属機械技術部 浚渫埋立研究室

要旨

 ドラグサクション浚渫船の自動化については主に省力化と
いう見地から開発が進められて来た。しかし従来の自動化は
、設定値を境界としたON/OFF制御、あるいはあらかじ
め定められた手順にしたがって制御を行うシーケンス制御で
あり、ベテラン乗船員の手動操作に比較すると制御が不十分
で滑らかさに欠けるところがあり、結果として省力化は図ら
れたが生産性(浚渫土量)は必ずしも高くなってはいない。
そこでこの問題を解決するため第五港湾建設局の「清龍丸」
を対象として、ベテラン乗船員の操作上のノウハウをコンピ
ュータに組み込めるファジィ制御を用いた自動化装置を開発
し、それを実船に装備して実船実験を行った。実船実験では
ファジィ理論を用いて以下の制御を行い、効果を検討した。
? 船速制御
? 浚渫ポンプ海テンス制御
? ジェット水制御
? スエルコン圧力制御
 その結果浚渫土量は従来の自動運転に対し約7%〜10%
向上した。また船速については手動操作に近い滑らかな制御
が実現し、ジェット水についても適切な頻度で発停させ浚渫
ポンプの閉塞を防止することができ、ベテラン乗船員並の浚
渫能率確保と自動化、省力化が実現された。


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