港湾技研報告

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混和材として分級フライアッシュを用いたコンクリートの 港湾・海洋構造物への適用性に関する研究

港湾技研報告 VOL.035 NO.04 1996.12

執筆者濱田秀則,福手勤,石井光裕
所属構造部 材料研究室

要旨

 フライアッシュあるいは高炉スラグ微粉末といった鉱物質
混和材をコンクリートに使用していくことは様々な国におい
て実施されている。一方、我が国においても今後石炭火力発
電においてフライアッシュが大量に発生することが予想され
ている。フライアッシュから微粒分のみを抽出し全体として
の品質の安定性の向上を目指した試みの一つが分級であり、
分級により得られたフライアッシュが分級フライアッシュで
ある。                        
 本研究は、この分級フライアッシュを港湾構造物をはじめ
海洋環境下において建設される構造物へ適用していくための
基礎データを得ることを目的としている。すなわち、分級フ
ライアッシュを用いたコンクリートの耐海水性ならびに内部
鉄筋の防食性を、他のコンクリートと比較して定量的に把握
することを目的としている。              
 本研究より得られた主要な結論を以下に要約する。   
1)分級フライアッシュを混入することにより、コンクリー
トの表層部分の乾湿繰返しおよび温度変化の繰返しに対する
抵抗性が向上する。                  
2)分級フライアッシュを混入することにより、圧縮強度の
低下率を抑制することができる。
3)分級フライアッシュを混入することにより、引張強度の
低下率を抑制することができる。
4)分級フライアッシュを混入することにより、コンクリー
ト中の塩化物イオンの拡散を抑制できる。
5)分級フライアッシュを混入することにより、コンクリー
トの電気抵抗を小さくすることができる。
6)分級不アイアッシュを混入したコンクリートの場合でも
、水結合材比を小さくする60方が内部鉄筋の防食上有利であ
る。
7)今後海洋環境下において建設,供用される港湾・海洋構
造物へ,分級フライアッシュを適用していくことは十分可能
である。


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