本研究においては、はじめに製造方法の違いが再生骨材の
品質におよぼす影響を、各種骨材試験によって調査した。こ
うしてその物性が明らかになった再生骨材を比較検討し、再
生骨材を使用したコンクリートの製造を行った。特に再生骨
材を使用したコンクリートの物性に影響を及ぼす主要因が粗
骨材界面の旧モルタル部分、あるいは再生骨材製造過程で多
量に発生し、再生細骨材中に含まれる微粒分量の割合である
と考え、普通骨材と再生骨材の混合比率および水セメント比
を変化させたコンクリートを製造し、力学的特性、耐久性等
の観点から、その材料特性を検討した。また、コンクリート
製造時に顔料を添加し、新モルタル部分を着色した供試体を
用いて破壊時の断面の目視観察を行った。その他、約1年間
、海洋環境をシミュレートした海水循環水槽や高温海水水槽
での暴露実験も実施した。
得られた主要な結論は以下の通りである。
(1)再生粗骨材は、旧コンクリートのモルタル付着、混入等
により普通骨材と比較してその性能は劣るが、表面のモルタ
ルを除去することにより、その品質は普通粗骨材に近くなっ
た。
(2)再生骨材コンクリートは、再生細骨材中の微粒分等の影
響で、またコンクリートに使用されていた粗骨材が良質であ
ったため良好な流動性を示した。
(3)再生骨材コンクリートの強度特性は普通骨材のみを使用
したコンクリートに比べ強度は低いが、水セメント比を下げ
ることにより強度を増加させることはできる。
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