港湾技研報告

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内湾域における泥質物の堆積過程に関する研究

港湾技研報告 VOL.037 NO.04 1998.12

執筆者中川康之
所属海洋環境部 水理研究室

要旨

 伊勢湾内において広域的に取得された水質,底質等のデー
タを解析することにより,堆積範囲,起源の推定,堆積速度
等の内湾域での泥の堆積特性や,既存の人工島周囲の底質分
析による泥化の現状について調べた.その結果,同湾内では
泥質堆積物の起源として一次生産に由来する懸濁物が卓越す
ることや,人工島建設に伴う波浪環境の変化が原因と思われ
る泥質物の堆積が人工島背後で生じていることが確かめられ
た.また,人工島周辺を対象とした波浪変形計算を行い,人
工島背後での泥質物の堆積と波浪条件との関係について検討
し,浅海域の堆積物は波浪場の影響を強く受けていることを
示した.
 一方,泥質物の堆積を予測する数値モデルの開発を目的と
し,潮流計算および拡散計算に基づく泥質物の堆積計算を行
った.堆積速度に関する計算結果と現地底泥中の有機物濃度
との間に高い相関が得られ,湾内の泥質物の堆積状況を計算
結果から定性的に推定できることを示した.


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