港湾技研報告

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潮位変動および密度の非一様性を考慮した砂浜海岸地下水の非定常過程に関する数値解析

港湾技研報告 VOL.038 NO.02 1999.06

執筆者内山雄介
所属海洋環境部 漂砂研究室

要旨

 海浜変形,構造物の安定性,植生や海洋生物を含む海岸環
境に対して重要な役割を果たしている,海岸帯水層中の地下
水の挙動を数値解析によって詳細に調べた.まず,飽和-不
飽和浸透流式と塩分の移流分散方程式とを連立させ,海面の
時間変動を境界条件として取り込むことにより,海岸帯水層
特有の地下密度流場を厳密に解き,かつ帯水層中に形成され
る塩水楔の非定常過程を解析することができる数値モデルを
示した.解析に先立って,幾つかの理論解や実験値等と数値
解析結果との比較を通じて,モデルの妥当性を検証した.次
いで,砂浜海岸における帯水層中の浸透流場を解析した結果
,潮汐の非定常性に起因して前浜表層付近に局所的な循環流
が形成されて,海水が滞留する領域が出現することを明らか
にした.さらに,この循環流は帯水層中の密度構造とも密接
に関連しており,陸域からの淡水フラックスの大小,潮位振
幅,海浜勾配等によってもその形態が大きく変化することを
見出すとともに,それらのメカニズムに関する考察を行った
.


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