港湾技研報告

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防波堤ケーソンの自動設置システムの開発(第二報)−アンカーワイヤ方式の水理模型実験による検討−

港湾技研報告 VOL.038 NO.02 1999.06

執筆者米山治男,白石悟,名里健吾,高橋英俊
所属構造部 主任研究官

要旨

 本報告では,現状では作業員が直接手動で実施しているウ
インチ操作作業を自動化することにより防波堤ケーソン等の
海洋構造物の設置作業を自動的に行う,自動設置システムに
ついて述べる.本システムを開発した目的は,ケーソンの据
付作業におけるウインチおよび緊張したワイヤラインの直近
における作業の回避等の安全性対策,将来の作業員の高齢化
あるいは減少に備えた据付作業の省力化,さらにはケーソン
の設置限界波高の向上による据付作業の稼働率の向上等を実
現することにある.
 本システムは,引船を使用した引船方式,引船を使用せず
アンカーを用いたアンカーワイヤ方式の2方式でケーソンの
据付作業を行うことが可能である.
 第一報においては,これら2方式のうち,引船方式による
システムについて水理模型実験を実施することにより,シス
テムの制御アルゴリズムの有効性を検証した.その結果,引
船方式によるシステムを使用すれば,ケーソンを自動的にか
つ十分な精度で設置できることが実験的に確認できた.
 そこで,本報告では,引船方式によるシステムと比較して
,より安定的で高精度なケーソン据付が可能と考えられる,
アンカーワイヤ方式によるシステムについて水理模型実験を
実施した.その実験結果から,アンカーワイヤ方式によるシ
ステムの制御アルゴリズムの妥当性が確認され,また第一報
で報告した引船方式によるシステムとの比較から,アンカー
ワイヤ方式によるシステムは,ケーソン据付作業の安定性お
よび最終的なケーソン設置精度において,引船方式によるシ
ステムよりも効果的であることが明らかとなった.


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