
数値処理からみたCVM(仮想評価法)の信頼性分析 −船舶事故による流出油対策の評価への適用事例−
港湾技研報告 VOL.038 NO.03 1999.09
| 執筆者 | 鈴木武 |
| 所属 | 海洋環境部 環境システム研究室 |
要旨 | CVM(Contingent Valuation Method)の推定結果の信頼性を 分析するため,わが国周辺において船舶事故により発生する 油流出への対策に対してCVMを適用し,その推定の作業過程 ・結果におけるCVMの持つ各種特性について,数値処理に焦 点を当て分析を行った.分析項目は,「回答者の属性」,「 効用関数型」,「サンプリング誤差」,「回答者の思考範囲 」による支払意思額の推定値への影響である.「回答者の属 性」については,居住地域,所得水準,年齢,性別,職種の 違いによる支払意思の差違を確認した.「効用関数型」につ いては,Logitモデルを対象として3種類の効用関数型につ いて利害得失を比較した結果,対数線形型を適切に修正して 使用することが実務上適していることがわかった.「サンプ リング誤差」については,モンテカルロ・シミュレーション を行い,その結果を基に支払意思額中央値の誤差率とサンプ ル数の間の関係式を求めた.「回答者の思考範囲」について は,支払意思額に大きな影響を及ぼしている可能性が認めら れたので,このような場合にその影響を排除して支払意思額 を求めるための中央値に替わる代表値を提案した. |
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