港湾技研報告

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リニア搬送台車を活用したコンテナ荷役システムの試設計およびターミナルシミュレーションによる評価

港湾技研報告 VOL.039 NO.01 2000.03

執筆者門前唯明,田邊俊郎,鈴木武,中島晋
所属機械技術部 機械作業システム研究室

要旨

 リニアモータは自動化や直角走行が容易である等の利点を
有し,コンテナ搬送に活用された場合には,コンテナターミ
ナルにおける荷役作業の効率化・省力化に大きく貢献するも
のと考えられる.そこで,コンテナ搬送にリニアモータを活
用した港湾におけるコンテナ荷役システムの試設計およびシ
ミュレーション評価を行った.荷役方式としては,本船荷役
専用バッファを有するレール式トランスファークレーン(T
/C)式,ラックへの格納機構が装備された特殊天井クレー
ンを有する立体倉庫式,立体倉庫の全階全面をリニア台車が
走行するリニア直入型の3方式について試設計および評価を
行い,以下の成果を得た.
 (1) リニアへの要求仕様(速度7m/s,加速度1.5m/s2)を
明らかにすることができた.
 (2) 経済性評価の結果,ランニングコストは高い順から並
べると,リニア直入型,立体倉庫式,T/C式,在来式の順
であることが分かった.また,従来のランニングコストと同
じにするための荷役機械のコスト目標を定量的に示すことが
できた.
 (3) 処理能力評価の結果,3方式ともに本船荷役能率と搬
出入荷役能率が向上することが判った.ただし,T/C式は
配置替え荷役に長時間を要することが分かった.
 これにより,コンテナターミナルへのリニア導入に向けて
の前提条件を概略明らかにすることができた.


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