港湾技研報告

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沿岸域における波群構造の変化と砕波帯内長周期波の発達・減衰特性(欧文)

港湾技研報告 VOL.039 NO.04 2000.12

執筆者Albena VELTCHEVA,中村聡志
所属海洋環境部 漂砂研究室

要旨

  波群が砕波することによって発達すると考えられる周期1
〜数分の長周期波による平均水位のゆっくりとした変動と個
々の波の遡上とによって,海岸線では前浜頂を越える越流が
生じ,急激な砂浜侵食が起きることが観測されている.
  本研究では,新しい個別波定義(Orbital Criterion)を
用いた統計的手法に基づくデータ解析法を提案し,波崎海洋
研究施設とその沖合いで得られた同時多点波浪観測データを
用いて,波の伝播による沿岸域の波群特性(波群の繰返し周
期と波群高さの変動)の変化と沿岸域における長周期波の発
達・減衰特性を調べた.あわせて,砕波後の波高出現確率分
布が沖波波高分布からの浅水変形と砕波変形との重ねあわせ
で表わせると仮定して得られた沿岸域の波高出現確率分布を
用いて,波群高さの岸沖変化を理論的に導出し,現地データ
による砕波前後の波群特性解析結果との一致を示した.また
,沖波波群パラメータによる砕波帯内長周期波の波高推定を
試み,長周期波の推定には平均的な波群の高さと継続時間を
同時に考慮することが必要であることがわかった.


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