港湾技研報告

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砂漣内の浸透流について

港湾技研報告 VOL.040 NO.01 2001.03

執筆者鈴木高二朗
所属水工部 耐波研究室

要旨

 波が大きくなると海底の砂漣が消滅して、地盤は平坦にな
り、砂はシートフローとよばれる薄い層を成して移動するよ
うになる。しかし、砂漣が消滅する機構についてはこれまで
明らかにされていない。本報告では砂漣に波による振動流が
作用することにより、砂漣のクレスト部で圧力が低下して砂
中に上向き浸透流が発生し、この上向き浸透流が砂漣クレス
ト部の砂粒子をボイリングさせて砂漣形状を保てなくしてい
るのではないかという仮定のもとで浸透流の可視化実験およ
び数値計算を行った。
 その結果、可視化実験によりクレスト部に向かう上向き浸
透流が再現された。また、数値計算では、クレスト部に圧力
の低下が生じ、クレスト部に向かう浸透流が発生することが
示された。さらに、波による振動流が大きくなると、砂漣内
部の動水勾配が土被り圧を越え、砂漣頂部で液状化が発生す
る可能性があることが分かった。


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