港湾技研報告

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分割法円弧すべり解析における新しい計算法

港湾技研報告 VOL.040 NO.01 2001.03

執筆者土田孝,引屋敷英人,水野健太,福原哲夫
所属土質部 土性研究室

要旨

 分割法円弧すべり解析には分割片間の力を静定化するため
の仮定によって修正フェレニウス法と簡易ビショップ法があ
るが、地盤が主に砂質土から構成される場合、前者は安全率
を過小に後者は過大に評価するとされている。本研究は、砂
質土が多い地盤において安全率や支持力を精度よく求めるこ
とを目的として、分割法円弧すべりの新しい計算法を提案し
たものである。主要な結論は以下のようにまとめられる。
1)提案法は分割片側面におけるせん断力と直応力の比が、分
割片傾角をαとしたときtan(α/3.5)であるとする仮定を用
いる。
2)提案法を浅い基礎の支持力の算定に用いると、φ≦40゚の
砂地盤において、塑性理論解と同等の支持力係数が計算でき
る。
3)φが小さいときの局部破壊の効果及びPrandtl解とTerzag
hi解の違いを補正する係数μを求めた。これにより現行の港
湾の基準に採用されている砂地盤の支持力係数が計算できる
。
4)提案法を既往のすべり破壊が起こった事例に適用した結果
、計算結果は事例を良好に説明した。ただし、事例によって
は粘土地盤の強度異方性に関する考慮が必要になる場合があ
った。


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