
分割型圧密試験による構造を有する洪積粘性土の圧密挙動
港湾技研報告 VOL.040 NO.02 2001.06
| 執筆者 | 姜敏秀,土田孝,渡部要一,田中洋行,宮島正悟 |
| 所属 | 土質部 土性研究室 |
要旨 | 大深度による高い土被り圧の条件とともに, 長期間に渡っ て年代効果の影響を受けた大阪湾洪積土は,一般の沖積粘土 に比べて数倍ないし数十倍の高い圧密降伏応力を有している .洪積粘土の圧密では,圧密降伏応力を境にして急激に沈下 が生じることが報告されているが,このような圧密挙動に関 しては,いまだ未解明の点が少なくない. いくつかの研究グループにより実施されてきた既応の分割 型圧密試験では,圧密理論の実験的な検証を主な目的として 再構成試料あるいは正規圧密粘土を対象としてきたが,年代 効果およびセメンテーション効果などにより,発達した構造 を有する粘土を対象とした研究は非常に少ない.また粘土の 構造に関する研究は主に微視的な調査方法,すなわち電子顕 微鏡やポロシメーターなどによって実施されているが,力学 試験による調査は未だに研究資料が不足し,未解明な点も多 い. そこで本研究では高い降伏応力を有する大阪湾洪積粘土の 圧密特性を調べるために非常に高い剛性を有する港研式高圧 分割型圧密試験機を新たに開発し,それを用いて分割された 試料に対する経時的な層別圧密挙動および間隙水圧の変化を 計測した.また,一般的に行われる標準圧密試験と定ひずみ 圧密試験を行い,これらの結果との比較を行った.その結果 ,圧密圧力の変化に従う大阪湾洪積粘土のユニークな圧密挙 動が観測された. |
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