港湾技研資料

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霞ケ浦の土質調査および湖底土の土性について

港湾技研資料 NO.0027 1967.01

執筆者藤下利男,松本一明,堀江宏保,小川富美子
所属構造部 (土質試験課)

要旨

 現在、新東京国際空港、ようやく千葉県三里塚(通称成田
空港)に決定したが、それまでには、候補地として数ヶ所が
挙げられ霞ケ浦もその中の一つであった。霞ケ浦が土質工学
的見地から空港建設に適しているかどうか検討するための資
料とすることを目的として土質調査を実施した。     
 霞ケ浦は、茨城県の南部に位置し、その湖水面積は約19
0?におよんでいる。周辺には大河川の流入はみられず湖底
土は静水中、静かに堆積したもので非常にポーラスで軟弱な
粘土層を形成し、その深度もかなり大きい。調査地域の湖の
平均水深はYP下約5mで湖底より約10mは特に軟かい粘
性土が堆積していて、含水比は200〜250%、間ゲキ比
は6〜7で、いづれも大きな値を示している。粘性土の厚さ
は湖心で大きく最大45mである。           
粘性土はCLイオン濃度の高い間ゲキ水をもち、湖がかつて
海水であったことを示している。表層5〜10mより浅くな
るにしたがって濃度は低くなっているが、これは湖の淡水化
の過程を示すものか、リーチングを起しつつある状態を示し
ているものか、いずれかであろう。このCLイオン濃・・・


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