港湾技研資料

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海岸堤防の常時微動観測

港湾技研資料 NO.0205 1975.03

執筆者野田節男,上部達生
所属構造部 (沈埋構造研究室)

要旨

 海岸堤防の耐震設計に関する研究の一環として、常時微動
の解析から堤体の振動特性の推定を試みた。明らかとなった
事項および問題点を以下に記する。           
1)常時微動観測という簡便な方法によって、海岸堤防の動
的特性をおおよそ推定できる。             
2)堤体の固有振動数は比較的精度良く求まるが、周波数伝
達関数にはかなりの変動がある。            
3)堤高7m未満の標準的堤防の固有振動数は20Hz以下
であり、堤高の増大と共に減少する。 3〜7mの堤防では
10Hz以下、護岸では約15Hzであった。      
4)伝達関数の最大値は、 3〜7mの堤防で1.5〜3で
あるが、低い堤防や護岸で4〜40とばらついていた。堤高
との関係は明らかでなかった。             
5)堤体を有限要素モデル・せん断型質点モデルとした時の
振動特性は、常時微動の結果とは一致しなかった。モデルの
諸係数・微動解析の精度につきさらに検討駿必要がある。 


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