港湾技研資料

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MEMによる波浪スペクトル計算に関する考察(2)−FPE・スキームにそった問題点−

港湾技研資料 NO.0274 1977.09

執筆者鶴谷広一,加藤始
所属海洋水理部 (水理研究室)

要旨

 MEMによるスペクトル計算法は、従来の相関法やFFT
より優れていると言われている。ここでは、従来から行われ
ている風波の実験に関連して、主に流れの中での風波を、少
ないデータ数からもスペクトル計算が可能であり、分解能の
よいスペクトルが得られるというMEMを用いて計算を行っ
た。それによれば、短いデータからもスペクトルの計算は可
能であるが、分解能は悪くなり、いくつかの鋭いピークがあ
る現象では第二、第三のピークがはっきりと出なくなる傾向
にあることがわかった。分解能を良くするためには、予測誤
差フィルターの数を多くすればよいが、全体にスペクトルの
変動が大きくなって精度が悪くなり、特に風波のように高周
波側の勾配が問題となるような現象では実用上もやっかいで
あるし、スペクトル計算の精度の上からも好ましくない。 
 データが十分長ければ、これらの問題は解決し、分解能も
精度も向上し、妥当と思われる結果を与える。      


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