港湾技研資料

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最小自乗法による潮汐・潮流の調和分解とその精度

港湾技研資料 NO.0369 1981.03

執筆者村上和男
所属海洋水理部 (海水汚染水理研究室)

要旨

 比較的短かい観測期間のデータに関して、最小自乗法によ
る潮汐・潮流の調和分解の精度の検討を行った。横浜港の調
和定数を用いて、計算機の中で潮汐波を合成し、その潮汐波
の一定期間の値を用いて再び各分潮に分離した場合の調和定
数の精度を、試算によって検討した。また、実際の潮位記録
より、調和定数の変動、あるいは気圧変動、欠測などが調和
定数に与える影響を検討した。             
 試算の結果、15日間データでは10分潮、1か月間デー
タでは13分潮に分解するのが精度がよいことがわかった。
ただし、分潮のスピードが近い分潮については、平衡潮汐論
によって求められた各分潮間の振幅の比率が測定点において
も成立するという仮定の下に分離する必要がある。    
 気圧変動による影響は,1か月間データの場合で高々1?
程度であり、小さいと考えられる。また,欠測による誤差は
,15日間あるいは1か月間のデータに対して,欠測期間が
観測期間の1/4以下であれば,あまり大きくないと考えら
れる。                        


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