根入部が粘性土地盤にある矢板壁の地震時における挙動を
調べるため、根入部を粘性土地盤にした控え工固定及び版の
模型矢板壁の振動実験を行った、主な実験結果は次のとおり
である。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
１）矢板壁に発生する曲げモーメントの第一ゼロ点の位置は
、粘土地盤強度の大きさに依存する。　　　　　　　　　　
２）裏込部矢板壁の振動時の曲げモーメント振幅は、控え工
の型式に係わらず一次共振々動数において卓越する。また、
控え工が版の場合の根入部矢板壁の曲げモーメントも同じく
一次共振々動数において急激に増加する。　　　　　　　　
３）Ｒｏｗｅの理論は、裏込砂投入後及び振動時の矢板壁の
曲げモーメントを比較的良く説明できる。ただし、粘土地盤
反力係数は，地盤強度，振動の強さなどによって影響を受け
ると考えられる。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
４）振動時における控え版の抵抗力は，現行設計法によって
求めた結果と比較して非常に小さくなる。