運輸省港湾局は、昭和４５年来の“波浪に関する拠点観測
実施要綱”を発展的に解消し、昭和５３年３月に“沿岸波浪
観測実施要綱”を策定した。ここでは、標準的観測法として
、水深５０ｍでの波浪観測及びカートリッジ磁気テープによ
るディジタルデータの取得を標準とし、データ資質及び処理
効率の一層の向上がはかられた。　　　　　　　　　　　　
　本資料は、わが国の沿岸波浪観測ネットワークを構成する
集中処理対象港において、昭和５８年の１年間に取得された
データを処理し、さらにこれらを解析した結果についてとり
まとめている。本資料に観測成果を掲載しているのは、指定
港を主とする４０港である。　　　　　　　　　　　　　　
　昭和５８年は、５７年などと同様、平年に比べて高波が多
く発生した年であるが，台風によるものは少ない。本年の最
大波は，強い冬型気圧配置時に秋田で得られたＨ１／３＝８
．０３ｍで，等地点の既往最大波を更新した。この他にも５
８年に最大波を更新した地点は，８地点に及んでいる。