港湾技研資料

一覧へ戻る

土質調査結果に及ぼす人為的要因の影響

港湾技研資料 NO.0546 1986.03

執筆者土田孝,小林正樹,菊池喜昭
所属土質部

要旨

 ほぼ一様な工学的性質を示すと考えられる海底地盤におい
て、5つの異なった調査業者が全く同じ方法によって行った
土質調査の事例を比較検討し、調査結果に及ぼす調査業者の
影響を調べたところ、以下の結論が得られた。      
(1)5社の物理試験結果の中では特に塑性限界において顕
  著な差がみられた。また、粘土分含有率においても試験
  実施者による違いがあると推定された。       
(2)試料採取時の乱れの程度によって、一軸圧縮強度や変
  形係数などが大きく違ってくることがわかった。   
(3)奥村が示した乱れによる強度の低下と変形係数との関
  係は今回の事例においてもほぼ当てはまった。中瀬らの
  提案による変形係数からquを補正する方法を適用する
  と,5社の違いは縮小するが,まだ20%の差がある。
(4)砂分の多い粘土のquについての補正方法を適用した
  結果を見ると,パラメータとして塑性指数を用いるかあ
  るいは粘土分含有率を用いるかによって補正結果が大き
  く違う場合がある。                
(5)乱れによって圧密降伏応力pcは過大評価される可能
   性がありpcを用いて地盤の強度を推定する場合は乱
   れに関して十分な考慮が必要になると考えられる。 


一覧へ戻る

お問い合わせはkikaku@ysk.nilim.go.jpまでお願いします。

(C)Copyright 1996-2007 Nationnal Institute for Land and Infastructure Management(NILIM)
No reproduction or republication without permission.