港湾技研資料

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三軸試験機による粘性土の静止土圧係数の測定

港湾技研資料 NO.0577 1987.06

執筆者菊池喜昭,土田孝,中島謙二郎
所属土質部 土性研究室

要旨

 静止土圧係数Koは地盤内の初期応力状態を規定する重要
な定数である。また三軸試験機内で試料の原位置のKo応力
状態を再現する技術は乱さない試料を用いて自然地盤の力学
特性を調べるために基本となるものである。このような観点
から港湾地域の粘性土の自動Ko三軸試験を行った結果次の
ことがわかった。                   
(1)供試体の体積変化と沈下量の関係からKo条件を自動
  的に制御する三軸試験機によって側方ひずみが±0.0
  1%の範囲におさまるようなKo圧密が可能である。 
(2)試験に用いるドレーンペーパーの保水量を補正しない
  場合はKo値を過小に評価する。この影響は特に過圧密
  領域で大きい。                  
(3)Ko圧密をスタートさせる初期圧密圧力の大きさがK
  o値に影響する。                 
(4)我が国の港湾地域の粘性土に関しては,正規圧密時の
  Koはほぼ0.4〜0.5の範囲にある。      
(5)過圧密粘土のKo値は除荷時と再載荷時で大きく異な
  り,再載荷時のKo値は小さい。          
  また長期間圧密した場合Ko値は時間とともにやや低下
  する。                      


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