本研究の目的は、砂地盤上に建設される重力式海洋構造物
を対象に、このような構造物が波浪の繰り返し載荷を受けた
場合の変位量について模型実験により調べることにある。
模型実験および解析の結果得られた主要な結論は、以下の
とおりである。
(1)構造物の波による変位を推定する場合には、波の繰り
返しの影響を考慮しなければならない。
(2)構造物端し部直下地盤の特性と構造物を介して地盤に
伝達される波力(最大端し圧)は、構造物の変位に対し
て重要な影響を有するものと考えられる。
(3)最大端し圧p1と地盤のせん断強度τsfの比p1/
τsfと構造物の合成変位δは、合成変位のδの一次
関数となる。
(4)今回の実験結果によると,構造物の変位をゼロにおさ
えようとする場合には,p1/τstの値を3以下にす
れば良い。
(5)上記(3)および(4)における地盤のせん断強度τ
stについては,(2)で述べた結論から構造物端し部
下における無次元深さz/B(z:深さ、B:構造物基
礎幅)が1/2若しくは1以浅の平均値を採用するのが
良い。
(6)今回得られた実験の結果から、p1/τsfと剛性変
位δおよび繰り返し波数の相関を明らかにした。
|