港湾技研資料

一覧へ戻る

砂地盤上の大水深混成式防波堤の大型模型振動実験と地震応答解析

港湾技研資料 NO.0589 1987.06

執筆者上部達生,守屋正平
所属構造部 地震防災研究室

要旨

 砂地盤上の混成式防波堤の振動性状と地震時の安定性の把
握を目的として大型模型振動実験を行った。振動台加速度を
増加させて行くと、ある加速度で模型の残留変位が急増した
。特にマウンドのりじり部分は大きい残留変形を示した。こ
の入力加速度に対して砂地盤内の過剰間隙水圧は防波堤模型
直下を除いて有効拘束圧の50%以上に達していた。残留変
位が急増するまでの入力加速度に対しては、模型を剛体と仮
定して算定する動水圧の近似式(鉛直壁についてのWest
ergaardの式、斜面についてのZangerの式)を
用いた計算値は実測値と一致した。また、水−構造物−地盤
連成系の有限要素法による等価線形化手法の地震応答解析に
よって、残留変位が急増するまでの加振時の模型の拳動は良
く説明された。さらに,防波堤模型の震度と過剰間隙水圧を
考慮した円形すべり面法による地震時安定解析によれば,防
波堤模型の残留変位量が急増した加振条件では,安全率が1
以下であった。                    


一覧へ戻る

お問い合わせはkikaku@ysk.nilim.go.jpまでお願いします。

(C)Copyright 1996-2007 Nationnal Institute for Land and Infastructure Management(NILIM)
No reproduction or republication without permission.