港湾技研資料

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大水深波浪制御構造物に関する水工的研究(その4)−二重円筒ケーソン(海底設置型)の水理特性と試設計−

港湾技研資料 NO.0600 1987.09

執筆者谷本勝利,片岡真二,原中祐人,鈴木慎也,下迫健一郎,宮崎啓司
所属水工部 (防波堤研究室)

要旨

 波浪制御構造物として選定した二重円筒ケーソンについて
、不規則波実験により水理特性を明らかにし、設計波力の算
定法を提案するとともに、試設計を行った。       
 対象とした構造は、基部く(矩)形ケーソンの上を二重円
筒構造とし、外側円筒壁の上方部分(全高の1/3)を透過
性としたもので、海底に直接設置する形式であり、透過円筒
部の前半分と後半分の開口率は任意に選択できる。    
 提案した設計波力の算定法は、正の波力については直立壁
に働く合田式による波圧を修正して分布させるもので、外側
での波圧が卓越する位相および遊水室内部での波圧が卓越す
る位相の2種の分布を与えた。一方、負の波力は第4次近似
有限振幅重複波理論で求められるが、遊水室内の残留水位を
別に考慮する必要がある。               
 試設計の結果,推進50m,有義波高9.0mに対し,外
側円筒の直径が40mのPCケーソンの場合は遊水室を除く
全容量の35%の中詰めで滑動安全率1.2を確保できる。


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