
係留船舶の動揺に基づく防衝工の設計について
港湾技研資料 NO.0729 1992.06
| 執筆者 | 上田茂,白石悟 |
| 所属 | 構造部 海洋構造研究室 |
要旨 | 係留施設の防衝工の設計においては、係留船舶の動揺によ る衝撃力を考慮しなければならない。そこで、本資料では、 一般貨物船、タンカーについて代表的な船型を選び、また、 ゴム防げん材の変位復元力特性を類別し、その中から代表的 な特性を選定し、さらに波向、友義波高、有義波周期、風向 、平均風速などを変え動揺数値シミュレーションを行い、ゴ ム防げん材の変位復元力特性をパラメータとして防衝工の最 大変位の計算結果を提示した。 本資料において得られた主要な結論は以下である。 1)同一吸収エネルギーで選定した防衝工については、Ε/ δaが小さいほどδmax/δaが小さい。したがって、係 留船舶の動揺による影響が大きな場合にはE/δaが小さい 防衝工を選定するのが良い。 2)波向30円の場合には、接岸時の条件で選定した防衝工 であっても係留船舶の動揺による防衝工の変位は許容変位以 下である。しかしながら、波向60円または90円の場合に は、防衝工の最大変位が許容変位を越える事例がみられるの で、このような条件にある係留施設の防衝工の設計において は、係留船舶の動揺を十分に考慮して適切に防衝工を選定す る必要がある。 3)大型船では接岸時の条件で選定した防衝工であっても係 留船舶の動揺を吸収することが可能であるが、中型船では吸 収できないことがあるので、係留船舶の動揺を考慮して防衝 工を選定する必要がある。 |
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